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2008年03月 アーカイブ

2008年03月02日

「雛祭り」

女の子のお祭り、桃の節句ともいう。
節句とは伝統的な年中行事を行う、季節の節目となる日のこと。

古くからいくつもの節日が伝わっていたが、江戸時代に公的な行事と定めたのが次の五節句である。
1月7日は七草、今日3月3日、5月5日は端午(菖蒲)、7月7日は七夕、9月9日は重陽(菊)。

しかし、3月3日に桃の花は早すぎる。今はまだ梅の季節である。
これは、節句が旧暦の日にちをそのまま新暦に当てはめたことからの齟齬である。

暦を太陰暦(旧暦)から太陽暦(新暦)に変えた明治6年以前では、今の4月上旬の季節に当たる。
この頃は桜の花盛り、桃の蕾も大きくふくらんでいる。雛人形には桃の花こそがお似合いである。

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                 《猿投山南麓に広がる桃畑 まさに桃源郷》

2008年03月06日

「遊び」

子どもは野原を駆け回りたいと思っている。
そしてちょっと危ないこと、いけないことをしたがるものである。

「リスク」と「ハザード」という言葉がある。どちらも「危険」という意味だけれど・・・
チャレンジ(冒険)をした結果、失敗したときの危険性をリスクという。

ちょっと高いところから飛び降りて転び、膝小僧を擦りむくことなどである。
これに対しハザードとは、自分では避けられない危険である。

例えばブランコの鎖が切れて落っこちることなどを指す。
こちらは管理者の責任であり、起こってはならないことである。

このごろ危ないからといって、あらゆる危険性を取り去ってしまうことが多い。
「リスク」と「ハザード」は分けて考え、子どものチャレンジする精神までつみ取ってはならない。

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《クローバーの草っ原は駆け回るにも寝転がるにもいい 四つ葉も探せるし花輪もつくれる》

2008年03月08日

「早春」

“春まっ盛り”とか“初夏”というのは、季節もいいし言葉の響きもいい。
でも私は“早春”というのが一番好きである。

寒くて厳しい冬が過ぎ、新しくて暖かい春がやってくるという期待に満ちた季節。
早春に咲く花は、なぜか黄色いものが多い。

1月から咲き続けてきたロウバイは、蝋細工のような花が梅に似ている。
マンサクは「豊年満作」とか「まず咲く」の意味とか。

クロッカスには色とりどりの花があるが、その中でも黄色のものが一番早い。
早春の黄色い花は、赤・ピンク・紫色の花たちが咲き誇る“春爛漫”の序曲である。

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    《ようやく冬が去り、ブルーボネットにもあちらこちらに春のきざしが》

2008年03月11日

「早春 その2」

“根ざす地の 温みを感じ いちはやく 空いろ花咲けり みちばた日なたに”
“夕づける 風冷えそめぬ みちばたの 空いろ小花 みなみなつぼむ”

白樺派の代表的歌人、木下利玄(りげん:明治19年ー大正14年)の歌である。
歌の中に花の名前は出てこないが、間違いなくオオイヌノフグリのことであろう。

この植物は、小型のハナアブなどによる受粉が終わると1~2時間で花を落とす。
昆虫が来なくて受粉が叶わなかった花は、夕方になると雌しべを包むように閉じてしまう。

明治・大正の時代は帰化して間のないころなので、まだ日本名が付いていなかったのかもしれない。
この歌人の優しいまなざしは、名も知らぬ小さな雑草の特徴を見事に描写している。

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《オオイヌノフグリの拡大写真 実物の花は1センチにも満たない》

2008年03月14日

「自然」

郊外や田舎へ行って水田や樹林を見たとき“ワーッ、自然がいっぱいだァ!”と言ってしまう。
しかし、田畑や杉林は人間がつくったものであって、厳密にいうと「自然」ではない。

本当の「自然」や「天然」は、人の手の及んでいないものを指す。
野獣や自然災害などのように、ときには人に危害を加える恐ろしいものなのである。

野生動物・餌付けされた野鳥、牛などの家畜・犬などのペットの順で野性味が薄れていく。
天然のブナ林・アカマツの二次林・杉の造林地・庭木も同じである。

では、田園や里山を自然と言ってはいけないのだろうか。
都市のようにビルや舗装で覆われたところに比べれば、より「自然的」であることは確かである。

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《“あっしにはかかわりのないことでござんす”木枯紋次郎・・・ちょっと古かったかも》

2008年03月17日

「野生の植物」

今から30年ほど前、野山の植物の写真撮影に熱中した一時期があった。
5年くらいの間に3000枚、種類にして約800種。

今も二階の押入の奥に、茶箱に入れて大切にしまってある。
火事か地震などの緊急時には、「もっとも最初に持ち出すべきもの」との位置づけにしている。
(預金通帳は大した金額ではないし、たぶん妻が最初に担ぎだすので安心)

コダックのエクタクローム・フィルムを使用し、東洋現像所指定で写真屋さんにお願いした。
乾燥した冷暗所に保管してきたので、今もほとんど色あせていない。

植物を探し歩いたフィールドは、
 ①東山植物園・・・当時、園内の自然生態園(日本庭園)の担当だった。
 ②長野県泰阜村・・・妻の実家があったので、休暇で訪れる度に近くの野山を歩き回った。
 ③各地への旅行や休日の植物採集・・・どこへ行くにも必ずカメラを携帯していた。

その一例を紹介します。このイタチササゲの写真は、最も気に入っているものの一枚。
花や実の状態も良く、葉は先端の巻きひげも含めて写すことができたことなどが自慢の理由です。

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     《デジタル化により全体が少し黒っぽくなってしまいました》

2008年03月20日

「写真の先生」

私は、カメラの使い方をきちんと教育されたことがない。見よう見まねの自己流である。
当時の教科書(?)としては、山と渓谷社の「カラーガイドシリーズ」が挙げられる。

「樹の花」や「山野草」・「高山植物」などを、美しいカラー写真で見ることができたのである。
ところが、同じ山渓から出版された「野草ハンドブックー春の花」「夏の花」「秋の花」の

3部作が出版されて、それまでの概念が一変させられてしまった。
その写真の美しいこと、構図の素晴らしいこと、生えている環境がよく分かることなどなど。

撮影・著作は冨成忠夫、35㎜カメラの名手と詠われた写真家である。
その日から、私の先生は冨成さんということになった。(一度もお目にかかったことは無いけれど)

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      《ポケットに入れて持ち歩き、野外で使い込んだのでボロボロである》

2008年03月25日

「写真の先生 その2」

冨成先生の写真を素晴らしいと感じたのは、私の植物写真への想いにピッタリだったからである。
「秋の花」の巻末に“植物写真と私”と題して、ご自身の作画姿勢について述べられている。

少し抜粋しながら再現してみよう。
“自分の性格は、静的であり地味である。鬼面人を驚かすような作品でなく、
ほのぼのとした暖かさが柔らかく浸みとおってくるような世界が持ち味である。”

“眼は花のもつ静かなたたずまいに向けられ、花そのものをむき出しに表現するのでなく、
花をとりまく空気、あるいは空間のほうに心が引っかかるのである。”

“私は植物の生命を植物自体には感じとらず、そこに生えているということに強く感じる。
ボケを重視し、バックの表現に苦労するのもそのためである。”

同じような気持ちで撮影した私の写真を載せますので見てください。(もちろん数段落ちるけれど)

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        《高層湿原に咲くクサレダマ》            《人里の路傍に咲くホソバテッポウユリ》

2008年03月26日

「樹の芽」

3月に入って、良い間隔で雨が降っている。
毎週一回は降っているのだが、うまく土曜日・日曜日を外してくれている。

行楽地にとって、休日の雨ほど憎いものはない。天気予報を見ては一喜一憂する。
しかし植物にとっては、土・日に関係なく、週一くらいの雨は大歓迎なのである。

特にこの時季は、樹の根が休眠から覚めて水を吸い、枝先にぐんぐん送っているのだ。
枝先の木の芽は、ひと雨ごとに目を瞠るばかりに変化する。

ブルーボネットの旬の写真をお送りします。
キブシ・ネコヤナギ・ベニバスモモ・クロモジの花を是非、お見逃しなきように!

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2008年03月28日

「春花壇」

樹の芽の瑞々しさに感動したあと、花壇に目をやると鮮やかな色彩が飛び込んでくる。
コンテナに色合い良く植えられたネモフィラやチューリップ。

レンガ壁の前に咲くベニジウムはボリュームのあるオレンジ色。
不自然なほど色濃いリビングストンデージーのカーペット。

花の谷に1月から咲いているゴールデンクラッカーは年々大きくなる樹木である。
球根・宿根草・一年草・二年草・樹木を取り混ぜて、花の楽しさを演出している。

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2008年03月30日

「摘み草」

“春山の 咲きのををりに 春菜摘む 妹が白紐 見らくしよしも”詠み人は尾張連。
意味はよく分かりませんが、春山・菜摘・妹・白紐の文字が並んでいるだけでいいイメージです。

現代のように野菜の豊富な時代と異なり、冬の間ビタミン不足だったであろう万葉人にとって、
春の若菜摘みはどんなにか待ち遠しいものだったことでしょう。

今でも春の山菜摘みは楽しいものです。私にとっては「乙な酒肴の一品」になるのです。
まずツクシ、セリ、そしてノビル、フキノトウ。木の芽ではタラノキ、ウコギなどなど・・・

山菜は、品種改良の重ねられた野菜に比べて、香りや苦みが強いのが普通です。
塩や灰を加えて灰汁ぬきをしても“えぐい?”のですが、そこがまた美味なのです。

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《蕗の薹は葉柄をたべるフキの花芽 独特の黄緑色は遠くからでもすぐに見つけられる》

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