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2008年05月 アーカイブ

2008年05月01日

「雛芥子(ポピー)」

モネだかルノアールかは覚えていないが、ヒナゲシ畑を歩いている母と子の絵を見たことがある。
なだらかな丘、風に揺れる赤いポピー、そして幸せそうな親子が印象的だった。

「芥子粒(けしつぶ)のよう」という言葉は、きわめて細かいものの形容に使う。
事実、ヒナゲシの種子はきわめて小さいのである。

ヨーロッパの農地は、小麦やヒマワリなどの畑、牧草地、森の3つに分かれている。
何年か作物をつくって地味の痩せた畑は、しばらく休息させるため牧草地にするのだという。

畑に麦の種を播くとき、ヒナゲシの種も混ざってしまう。
ヒナゲシの種があまりに小さいので、完全に取り除くことができないためだという。

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        《ブルーボネットのポピー畑 ルノアールに出会えそうな景色である》 

2008年05月03日

「男の敵」

“男は敷居を跨げば七人の敵あり”と諺にいう。フムフムなるほど、思い当たる節がある。
まず、「上司」と「部下」と「同僚」の3人。もちろん、敵との戦(いくさ)には勝たねばならぬ。

上司には信頼されること。部下には敬愛されること。同僚にはライバルとして競り勝つこと。
次に、「議員」と「市民」と「マスコミ」。これで6人。

議員とは場内・場外2か所の戦場がある。市民は基本的には味方であるが、時により敵になる。
マスコミはいつでも“正義の味方”で、こちらが“悪役”だからやりにくい。
(市役所を退職した現在、この3人との敵対関係は解消した。その結果ストレスが半分に減った)

最後の7人目は・・・「女性」である。男たるものいつまでも緊張関係でいたい。
男性として意識されなくなったらお仕舞いである。

ところが、内(家)にも2人の敵がいる。「妻」と「子」である。家では油断している時に・・・
うしろから弾が飛んでくるので敵わない。やれやれ男とは、どこにいても心休まらぬ存在である。

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               《いざ出陣!!》

2008年05月05日

「いずれがアヤメかカキツバタ」

2人の美しい女性を前にして、甲乙つけがたいときの心境です。
アヤメもカキツバタも美しい花を咲かせますが、同じアヤメ科なのでよく似ているのです。

さらにハナショウブも同じ仲間ですので、この3種類を区別するのはなかなか難しいようです。
簡単な見分け方をお話ししましょう。アヤメは丘、カキツバタは水湿地、5月に咲きます。

アヤメは花弁(正確には外花被片)の模様が網目状、カキツバタは白い筋1本です。
ハナショウブの花は6月。水の張ってある菖蒲田で観賞するので水性植物と思われがちですが・・・

水を張るのは花の時期だけ、それ以外は畑の状態で栽培します。
古くから園芸植物として栽培され品種改良が進んでいるので、もっとも豪華な花を咲かせます。

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 《気品ある和服姿の女性を思わせる花菖蒲》

2008年05月08日

「八橋」

“(か)らごろも (き)つつなれにし (つ)ましあれば (は)るばるきぬる (た)びをしぞおもう”
平安時代初期の「伊勢物語」に登場する、東下りをする男(在原業平)の歌。

馴れ親しんだ妻を都に残して、はるばる三河までやってきた旅を悲しく詠っている。
知立市の三河八橋には、今も、業平にまつわる旧跡が多く残っている。

八橋山無量寿寺には「かきつばた園」があって、5月上旬、数万本のカキツバタが咲き誇る。
八橋から少し離れた刈谷市の小堤西池には、天然記念物(国指定)のカキツバタ群落がある。

約2haの小堤西池は、普通のため池と違って湿地のような形態をしている。
周辺に広がる水田は、人が住みつく以前にはこのような湿地帯だったのではと思わせる。

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    《「小堤西池のカキツバタを守る会」の人たちの努力により自然が維持されている》


2008年05月14日

「安曇野」

槍ヶ岳・穂高岳から発した清流が梓川を流れ、合流して成長したのち犀川となる。
北アルプス連峰の山裾、犀川の流れる平野を安曇野という。

雪を被った3000m級の山々、道端にたたずむ道祖神、清流にしか育たない山葵(わさび)の田。
夭折の彫刻家「碌山」やこどもをこの上なく可愛らしく描いた絵本作家「ちひろ」の美術館など。

安曇野を挟んだ東側に長峰山がある。標高939m、雪山を眺める絶好のビューポイント。
川端康成が“あまりに美しいので”井上靖、東山魁夷を誘い出したという逸話も残っている。

この長峰山に草っ原があり、いろいろな山野草に混ざって天然のアヤメが咲く。犀川沿いに・・・
龍門渕アヤメ公園があって6月に美しい。ただし、この公園の「アヤメ」は花菖蒲のことである。

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         《長峰山からの北アルプス 左から大滝山・蝶ケ岳・常念岳・横通岳 その奥に槍・穂高》

        【6月14日・15日に「ブルーボネットの会」会員による『安曇野自然満喫の旅』を開催します】

「菖蒲池」

梅雨どきの花といえば、紫陽花(あじさい)と花菖蒲である。
鶴舞公園には「あじさいの散歩道」と「菖蒲池」があって、花の時期には多くの人々が訪れる。

最近各地に花菖蒲の名所ができているが、鶴舞公園はもっとも古くから知られた名所である。
この菖蒲池を基盤として「名古屋花菖蒲会」という趣味の団体がある。その活動は・・・

“世界に誇る花菖蒲という古典園芸植物を保存培養し、人々に親しまれるよう普及活動を行う。”
具体的には、会報の発行、苗の交換会、花の時期に「切花菖蒲展」や「鉢花菖蒲展」を開催する。

会の発足は昭和28年、半世紀の歴史をもつ。品種改良に実績があり、学術的にもレベルが高く、
園芸文化を支える我が国有数の団体といえる。歴代会長はじめ会員の皆さんの努力の賜である。

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               《鶴舞公園菖蒲池 90種2万株が人々を魅了する》

2008年05月17日

「朴の木」

中央線の車窓から、遠くの山を見ていてもホオノキはそれと分かる。
葉が並はずれて大きい。風に吹かれてめくれあがると葉裏が白く見える。

飛騨地方で「朴葉みそ」を味わった人も多いと思う。枯れた葉の上に味噌と具を載せて炭火で焼く。
若葉で包んだ「朴葉ずし」も香りがよい。毎年5月の楽しみである。

同じ“ホオバ”でも「朴歯下駄」というのがある。葉と歯が違う。
一昔前(?)の学生は、学生服の腰に手ぬぐいをぶら下げて、裸足に朴歯下駄という出立ちだった。

朴の材は柔らかいので、下駄の歯にすると直ぐに減るのではと思うのは間違い。
歩くうちに歯に砂が食い込んで硬くなり、すり減るのを防ぐのだという。

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 《ホオノキの新葉 赤茶色に垂れ下がるのは冬芽を守っていた芽鱗》

2008年05月21日

「オープンガーデン」

先週の月曜日(休園日なのでお休み)、カキツバタも見ごろだし天気もよかったので、
のんびり自転車で三河八橋・無量寿寺まで出かけてみることにした。

途中、小堤西池を見てさらに東へ進み、もう少しで名鉄三河線・八橋駅という所で突然・・・
花いっぱいのお庭を発見して、あまりの美しさにビックリしてしまった。

田圃1反(300坪)ほどのお庭がまさに花盛り、木製のパーゴラやベンチまで整っている。
個人庭園とは思えないほど広いので、公園? 地域ボランティアの活動拠点? と思ってしまう。

自転車を留めて見入っていると、そのお宅の奥さんが出てきて“どうぞご覧ください”とおっしゃる。
「豊田オープンガーデンクラブ」に参加するお庭で、ご主人と2人で手入れしているとのこと。

オープンガーデンとは、本場イギリスで70年ほど前から行われている個人庭園を公開する活動。
日本でも近年徐々に普及している。豊田には54か所の登録があり、美しいガイドブックもある。

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      《まだ始めて2~3年とのこと 休耕田の重い田土をモミ殻などで改良している》


2008年05月23日

「岩を砕いて その2」

正月4日のこのブログに、巨大な花崗岩を持ち上げた松の話題を掲載した。(アーカイブ参照)
その松は何百年(?)もの樹齢をもつ大木であり、その根により30㎝も岩が持ち上げられている。

先日、その同じ岩のすぐ近くに、写真のような幼い松の苗を発見した。たぶん老松の子であろう。
幼苗は過去の姿、大木は未来の姿。親と子が同じような逆境にもめげずに戦っている。

“こころから 春待つ園は わが宿の 紅葉を風の つてにだに見よ” [源氏物語]
六条の院完成時、秋好(あきこのむ)中宮から紫の上へ紅葉を讃える贈歌。これに対する返歌は・・・

“風に散る 紅葉はかろし 春の色を 岩根の松に かけてこそ見め”と春に肩をもつ。
この時代にも「岩根の松」は、移ろいやすい紅葉と違って“変わらぬもの”との共通認識があった。

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 【現在、特別展 『源氏物語の花彩(はないろ)』 を開催中】

2008年05月25日

「スカンポ」

“♪土手のすかんぽ、ジャワ更紗(さらさ)。・・・”北原白秋・山田耕筰による懐かしい童謡である。
天才詩人白秋や自然詩をうたった野口雨情は、児童のための童謡づくりに情熱を傾けた。

子どもらしい美しい感情を育てるためのこの創作活動は、「大正期の童謡運動」と呼ばれている。
スカンポは陽当たりの良い土手などに生育する。別名のスイバは葉や茎を噛むと酸っぱいことから。

5~6月頃、円錐状の穂を伸ばし淡緑色の小花をつける。花が実に変わるにつれて赤みを帯びる。
スカンポの群生は、写真のような柔らかく微妙な色合いで土手を染めている。

感性豊かな詩人白秋は、この色彩と模様を「ジャワ更紗」になぞらえた。
「ジャワ更紗」とは、インドネシアで生産される植物染料によるろうけつ染めのことである。

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     《こんな土手の草むらには蛍が棲んでいそう》

2008年05月29日

「麦秋」

麦は冬のあいだ青々と生育する。春に植えて秋に収穫する稲とちょうど反対である。
かつては、米の裏作としてどこの田にも植えられていた。(二毛作という)

麦が実るのは初夏。まるで稲の収穫期・秋のような景色を呈するので「麦秋(ばくしゅう)」と呼ぶ。
このごろ麦畑を見る機会が少なくなった。同じように一面の菜の花畑(菜種油)も見なくなった。

麦は英語で“STRAW”という。茎が中空になっているので、ジュースなどを飲むのに利用した。
ところが最近はプラスチックの「ストロー」が普通なので、ストローの語源を麦と知る人は少ない。

夏の日除けにかぶる鍔(つば)の大きいストローハットは、もちろん「麦わら帽子」のことである。
日本の食料自給率は40%以下という。田を1年に2度つかう二毛作の時代が再び来るのだろうか。

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         《刈谷市あたりで見つけた麦畑 収穫した麦は何に使うのだろう?》

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