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2008年06月 アーカイブ

2008年06月01日

「アイルランド」

アイルランド島のほぼ中央に、キルベガンという村がある。
一昨年10日間ほどの旅行をしたとき、首都ダブリンから西海岸へ向かう途中で立ち寄った。

小川の岸にレンガづくりのエントツが立っていてWHISKEYと書いてある。
面白い建物だったので、橋の上から写真を撮った。

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旅行から帰って、司馬遼太郎の「街道をゆく・愛蘭土紀行Ⅱ」を読んだところ、
次のような記述があった。まさに、この写真の工場のことを書いたのだろう。以下引用・・・

『キルベガン・・・ダブリンより西へ約90キロ。路傍に清らかな小川がながれていて、古いウイスキー工場が建っている。建物は石を積んでシックイを塗ったアイルランド農家の建て方で、エントツだけが赤レンガである。“古いウイスキー蒸留所を修復した保存建造物”という意味の掲示がでているから、村の文化財にちがいない。・・・』

ちなみにウイスキーは「スコッチ」が有名だが、「アイリッシュ」の方が歴史は古いのだという。
ご当地でも飲んだし土産にも買って帰った。とても香りがよくてファンになりそうである。

2008年06月05日

「アイルランド その2」

その“清らかな小川”の中洲には、ヤナギ(?)などの樹木が密生している。
そこに簡単な立て札があって、「WILD LIFE SANCTUARY」と書いてある。

すなわち「野生の聖域」ともいうべき区域を示しているのだ。
水も、そこに棲む魚も、植物も、訪れる野鳥も大切にしようという精神であろう。

このごろ「ビオトープ」という言葉がよく使われる。
これはドイツ語で「生物の棲息空間」といったような意味である。

「サンクチュアリー」も「ビオトープ」も自然を守ろうとする思想に変わりはない。
地球は人間だけのものではなく、野生の動植物のためのものでもあると考えたい。

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           《橋の上から眺めた中洲 簡素な立て札が立っている》

  【COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が2010年に名古屋で開催されます】


2008年06月09日

「アイルランド その3」

アイルランドの西海岸は、まだ地球が丸いと知られていなかった時代には地の果てと思われていた。
陸地は、高さ約200mもの岩の絶壁で終焉し、その先は荒海である。

大地を構成する岩は石灰岩、風化した砂や腐葉土は強風に吹き飛ばされて植物を育む土壌がない。
わずかに岩の割れ目に溜まった土だけが植物のよりどころである。

石灰岩の台地を、延々4時間も歩いた。寒くて荒涼とした風景である。
気温が高く雨量も多い日本のように、放っておいても森林が成立するところとは大違いである。

遠方に見えるのはアラン諸島。縄編みのセーター「アラン模様」を知る人も多い。
荒海に漕ぎ出した夫が遭難したときに、セーターの模様で見分けるという悲しい物語の島である。

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        《石灰岩を積み上げたケルン くたびれた姿で歩いているのが私》

2008年06月11日

「蛍の季節」

源氏ボタルは、幼虫時代を水の中で過ごす世界的にも珍しい種類である。
“♪蛍の宿は 川端ヤナギ・・・” 源氏ボタルの雌は、川べりの藪の中にじっとしている。

移動するのは雄。雌の発する光に誘われて、川のほとりを盛んに飛び交っている。
産卵の場所は川岸などに生育するコケ。1匹の雌が約500粒、コケの葉に丹念に産み付ける。

1か月ほどして“ふ化”した小さな幼虫は、雨に流されて川にたどりつく。
幼虫の食べ物はカワニナだけ。カワニナは清流に棲む巻き貝の一種である。

何度も脱皮を繰り返した幼虫は、翌春、桜の咲く雨の日に陸に這い上がり、土中でさなぎになる。
このときにも光を発するので感動する。それから2か月後の6月に羽化して飛び回るのである。

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  《ホタルブクロ 花の中に蛍を入れると提灯のように光る》

2008年06月13日

「植物の寿命」

かなり古い話だが、ある種苗会社の機関誌の年間購読を予約したところ、
記念品として小指ほどの小さな挿し木苗が送られてきた。

説明書には、鎌倉の旧家で長年秘蔵されてきた「姫あじさい」とある。
早速鉢植えにしたところ立派な株になり、毎年きれいな花を見せてくれるようになった。

冬枯時の剪定枝や夏のすかし枝を挿し木するとかなりの率で活着する。
庭に植えたり近所の方にあげたりしたが、元の株は枯れてしまった。写真は3代目か4代目の株・・・

挿し木は、親の枝に根が生えたものだから、性質(遺伝子)は親そのものである。
そうしてみると、植物に寿命というものがあるのだろうかと不思議に思う。

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           《土壌が酸性だと空色に、アルカリ性だとピンク色になる》

2008年06月16日

「植物の分布」

カンアオイは、樹林の下の地面を這うように生育している。花は(写真中央のチョコレート色)・・・
地面に潜るように咲くので昆虫も見つけにくい。ナメクジにより花粉が運ばれるという。

種が実っても遠くへ飛ばすことがない。自分の生えているすぐ近くにしか増えていかないから・・・
分布をわずかに広げるためにも何万年とかかる。実に“地味”で“損な性格”(?)の植物である。

それでも「春の女神」と呼ばれるギフチョウにとっては、かけがえのない存在である。
ギフチョウの幼虫は、このカンアオイの仲間だけを食べて成長する。

樹林が開発されてカンアオイの生育地が減少すると、ギフチョウの棲息場所も限られてくる。
ギフチョウを守ろうと思えばカンアオイを、さらにその生育地の樹林を守らなくてはならない。

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《常緑で冬も枯れないので「寒葵」という 「葵」は徳川家の紋所》

2008年06月20日

「植物の名前」

“くさのなは しらずめずらし はなのさく” (草の名は 知らず珍し 花の咲く)・・・
この句のように前から読んでも後から読んでも同じになるような言葉を「回文」といいます。

“たけやぶやけた”“このこねこのこ”の類ですが、今日は回文の話ではありません。
珍しい花の咲く草を見つけたら、ぜひ、名前を調べて覚えてほしいのです。

植物の名前を覚えると、山登りをしても野原を歩いても楽しさ倍増すること請け合いです。
最初はだれか先輩に教えてもらうのがいいと思います。その結果30種類を覚えたとしましょう。

するとだんだんコツが分かってきて、次の30種類は前の半分の時間で覚えられます。
その地域に生育する植物名を100種類も知っていれば、あなたはもう立派な「植物博士」です!!

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《植物の名前はその形をうまく言い当てたものが多い・・・ 
        清楚な花の穂が1本立つ“ヒトリシズカ(一人静)”》

2008年06月22日

「ハンゲショウ」

一年で最も昼の長い日は夏至(げし)、例年6月21日ごろのことである。
それから11日目を「半夏生」という。稲作社会での季節的な区切り、「雑節」のひとつである。

サトイモ科のカラスビシャクの根茎を漢方で「半夏」といい、その芽が「生」ずる時期という意。
ややこしいけれど、ドクダミ科に「ハンゲショウ」という高さ70㎝ほどになる多年草がある。

この草の名の由来は、半夏生のころに花が咲くからという説と「半化粧」の意味だという説がある。
確かに今(6月下旬)花盛りであることから、「半夏生」説ももっともであるが・・・

ハンゲショウの葉は写真のように半分ほど真っ白になる。まるで白粉(おしろい)を塗ったように。
この姿を見ると、お化粧途中の「半化粧」の方が当たっているような気がする。

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    《ブルーボネット「花の谷」で出会うことができる》

2008年06月26日

「ラベンダー」

英国の田舎コッツウォルズを訪ねたのは昨年の7月、ちょうどラベンダーの季節だった。
スノーヒルという丘に精油を採取するための農園があって、今まさに花盛りであった。

近くにハーブティーなどの飲める喫茶室と香りのグッズを売るショップがある。
アロマテラピーにつかう精油としては、ラベンダーが最も応用範囲が広いとのこと。

ラベンダーは、もともと地中海沿岸が原産地であり、高温多湿の土地は苦手である。
日本では北海道富良野などのラベンダー畑がよく知られている。しかし・・・

最近では品種改良が進んだり栽培技術が進歩した結果、名古屋でも充分育てられるようになった。
花穂の上にウサギの耳のような苞葉をもつフレンチラベンダーは、庭でも気楽に栽培できる。

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  《紫の濃淡から白っぽい品種まで 列植されたラベンダーのグラデーションが美しい》

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