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2008年12月 アーカイブ

2008年12月02日

「樹名板」

植物園や自然観察園では、植物の名前や原産地などを記した名札は必須である。
名札を付けるには、記載内容が正確かつ適切であることはもちろんのこと・・・

板の材質や樹への取り付け方が課題となる。担当者の悩むところである。
焼いた杉板に白ペンキで書いたり、プラスチック板を彫り込んだり・・・

柱を付けて根元に立てたり、針金や縄により枝に縛りつけたりするけれど一長一短がある。
写真はロンドン郊外、世界に名だたるキュー植物園で見つけた樹名板である。

プラタナスの大木に釘で打ち付けてある。日本人の感覚では樹をいじめていると考えてしまう。
しかし “針金で縛った結果、枝や幹を締め付ける” のを避けるためと考えれば合理的かもしれない。

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            《樹には神経がないので 痛いとは感じない!?》

2008年12月03日

「紅葉」

今、紅葉のまっ盛りである。県内なら香嵐渓や犬山の寂光院など・・・
名古屋市内でも東山植物園や徳川園で美しい紅葉を見ることができる。

“桜はせいぜい10日間だけれど、紅葉は1か月もの長い間楽しめる” と教えてくれた人がいる。
香嵐渓のモミジは、今から370年前に香積寺の和尚さんが植え始めたという。先見の明である。

葉が赤くなるのは、葉にアントシアンという紅色の色素が形成されるからだという。
落葉樹は寒くて乾燥する冬を迎える前に葉を落とし、長い冬眠のための準備をする。

葉の付け根に離層というコルク層が発達し、それまで活発だった水分と養分の流れが停滞する。
すると葉の中の葉緑素が壊れて緑色が消え、アントシアンの赤色が目立つようになるのである。

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  《ツタやウルシも綺麗だけれど 何といってもカエデ類が紅葉(もみじ)の王様!!》

2008年12月06日

「黄葉」

赤くならずに黄色くなる“もみじ”の代表はイチョウであろう。
新瑞橋からブルーボネットまでの毎朝の通勤バスでも、街路樹のイチョウを楽しんでいる。

このごろの急速な寒さに合わせて、日いちにちと黄葉が色濃くなっていく。
黄色になるメカニズムは紅葉と少し違っている。色素も黄色いカロチノイドという物質である。

この色素は秋になって新しく合成されるのでなく、もともと葉の中に少量含まれている。
葉緑素(クロロフィル)が分解されて緑色が消えていくと、黄色が表面に出るのである。

イチョウの楽しみのもうひとつは銀杏(ぎんなん)、茶碗蒸しや塩焼きなどが定番である。
銀杏の生産は愛知県が日本一、稲沢市祖父江地区では町中にイチョウが植えられている。

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      《落葉の後の 黄色い絨毯も素晴らしい》

2008年12月10日

「落ち葉」

赤や黄色のもみじはもてはやされるけれども、茶色い木の葉はあまり人気がない。
それどころか街路樹のケヤキやアオギリの落ち葉は、沿道の人から嫌われる存在である。

新緑や夏の木陰の快さなどを思えば、もう少し可愛がってもらってもいいのではと思う。
秋の葉が茶色になるメカニズムは、黄色くなる葉とほとんど同じである。

ただ、タンニンなど褐色物質の多く含まれる樹木が茶色い葉になる。
東山丘陵地などに自生するコナラやアベマキも褐色の葉を落とす。

写真はアベマキの落ち葉。園路いっぱいに敷き詰められて見事な景色をつくっている。
まだだれも踏んでいない木の葉を、カサコソと蹴散らしながら歩くのは快感である。

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          《木の葉の間にドングリも落ちている》

2008年12月16日

「七里の渡し」

熱田神宮の500mほど南に「宮の渡し公園」という名の歴史公園がある。
熱田の地はかつて「宮」と呼ばれ、東海道五十三次の宿場町であった。

江戸から京へ上る道中で、宮から桑名までは唯一の海路である。「七里の渡し」という。
安藤広重の描く浮世絵「東海道五拾三次」でも、宮は湊の風景として描かれている。

公園には今も「常夜灯」が残されている。渡し舟や吊り舟のための灯台の役目を果たしていた。
その隣に背の高い鐘楼が聳えている。「時の鐘」といい旅人に正確な時刻を知らせていた。

時の鐘は尾張二代藩主光友の命により、熱田神宮に隣接する蔵福寺に設置されたものである。
昭和20年の戦災で焼けてしまったが、昭和58年、場所を移してこの公園に復元された。

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          《弥次さん喜多さんも渡し舟に乗り ひと騒動を起こしている》

2008年12月18日

「シーボルト」

東海道の宿場町「宮」には、東西から行き来する数多くの旅人が宿泊した。
そのひとりに、シーボルト事件でも有名なドイツ人医師シーボルトがいる。

文政9年(1826)2月、長崎から江戸に参府するオランダ使節団に随行したのである。
このとき、名古屋の本草学者水谷豊文とその門下生大河内存真、伊藤圭介は・・・

植物学者でもあるシーボルトから教えを請うべく、この熱田の湊で彼を待ち受けていた。
帰路にも会見したが、そのとき歳若い圭介は弟子入りを勧められ、後に長崎へ旅立つこととなる。

シーボルトは帰国後、日本の植物研究の集大成「フロラ・ヤポニカ(日本植物誌)」を著す。
彼が持ち帰った500種もの植物は、今もオランダ・ライデン大学の植物園に植えられている。

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《ライデン植物園には日本庭園があり シーボルトの胸像が設置されている》

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        《ライデンは運河と緑の美しい 落ち着いた学術の街である》

2008年12月21日

「ホルトノキ」

紅葉するのは、落葉樹だけの専売特許ではない。
常緑樹の中にも、落葉前に真っ赤に紅葉する種類がある。

熱田「宮の渡し公園」の「時の鐘」近くにホルトノキの大木がある。
緑濃い葉の中に、ときどき赤い葉が交ざっていて美しい。

新葉は春に伸び出すが、1年以上枝に付いていて翌年の7月までに落葉する。
落葉樹のように一斉に紅葉することはないが、少しずつ赤くなっては葉を落とす。

花が美しいのは、昆虫を呼び寄せて花粉を運んでもらいたいという明確な目的がある。
落葉前の葉を赤く染めるのに何か意味があるのだろうか。まさか人を楽しませるため?

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        《左からホルトノキ、同じホルトノキ科のコバンモチ、つる性のテイカカズラ》

2008年12月24日

「クリスマスリース」

クリスマスが近づくと、街のあちこちにイルミネーションやクリスマスツリーが飾られる。
このごろよく見かけるのは、お店や住宅の玄関に飾られるクリスマスリースである。

クリスマスリースの由来は、ヒイラギやモミの枝を使った魔よけの意味の強いもの・・・
ブドウのつるや麦の穂、リンゴなどの作物を飾って豊作を願ったものなどである。

ブルーボネットでも12月は、園内いたるところにクリスマスらしい花やオーナメントが飾られる。
海辺に近いシーサイドプロムナードには、大きなリースがあって対岸のガーデンふ頭が眺められる。

このふ頭にはときどき大型客船が停泊する。5万トンの飛鳥Ⅱや2万トンのにっぽん丸などである。
日本には数多くの植物園や庭園があるけれど、これほど海や船に親しめる庭はないのではと思う。

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       《豪華客船やジャンボ機を見ると 海外旅行への想いが掻き立てられる》

2008年12月28日

「ブルーボネット」

早いもので、今年もわずかな日数を残すのみとなりました。
ブルーボネットは、2月末日までの長い冬眠期間(休園)に入ります。

その間、3月1日に向けて施設の修繕やら春咲きの花の手入れなどを行います。
平成20年もたいへん多くのお客様にご利用いただきました。

特に、デイサービスのマイクロバスで来園される車椅子の方が目立ちます。
皆さん綺麗な花や青い海を見ると、顔がほころんでニコニコ顔になります。

ベビーカーのお母さんも多く見かけます。赤ちゃんにも花や庭は心地よいのでしょう。
私たちの願い以上に、お客様は思い思いにブルーボネットを楽しんでいるようです。

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     《マスコットキャラクター“ボネットちゃん”のレリーフ》

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