アイルランドの西海岸、200mもの断崖絶壁のその先は、地の果ての荒海である。
崖の上の石灰岩台地は、海からの風が激しいので土が吹き飛ばされてしまう。
わずかに、岩の陰や割れ目にたまった土壌に草が生えるだけで精いっぱいである。
その植生は、緯度が高いことと気候が厳しいことから、日本の高山植物にそっくりである。
なつかしい花を見つけた。シソ科の多年草。花穂の形が弓矢を入れる靫(うつぼ)に似ている。
山地の草原や、ときには林道の轍とわだちの間など日当たりのいい草地に生えている。
この仲間は日本だけでなく、北半球の温帯に広く分布しているという。
よく調べれば日本のものとは異なる種類なのだろうけれど、姿形はほとんど同じに見える。

《この花と初めて出会ったのは青森県下北半島の林道 学生時代のことです》
