名古屋の東部丘陵地帯から知多半島にかけて、洪積層の台地が連なっている。
尾根筋や中腹はアカマツやコナラの二次林であるが、谷部は水田として耕作されている。
浅い丘陵地ゆえ、水の豊かな川は存在しない。そこで、谷の最上部に溜池をつくって田に水を引く。
オニバスは、そんな溜池を棲家とする植物である。スイレン科に属し巨大な葉は2mにも達する。
葉の両面には、魚から身を守るためか鋭いトゲが生えている。いかにも “鬼” の名にふさわしい。
ところが、このオニバスが絶滅の危機に瀕している。水の汚れや宅地開発が原因という。
名古屋市では、かつてはお城の堀にも見られたというが、今は無くなってしまった。
人間生活の拡大が、地球上の同朋である他の生物を圧迫していることの一例であろう。

《葉が大きいわりに 紫色の花はとてもかわいい》
