飛石よりもさらに歩きやすく石を敷き詰めた園路を「延段(のべだん)」という。
切り石や表面の平らな自然石を組み合わせて趣向を凝らす。これも庭の用であり景色でもある。
京都桂離宮の「真の延段」は特に有名で、これだけを見ていても飽きないほどに美しい。
写真は伊賀上野の蓑虫庵。芭蕉の門弟服部土芳が貞享5年(1688)につくったものである。
庵開きに訪れた芭蕉が “みのむしの音を聞にこよ草の庵” の句を贈ったことからの命名という。
苔むした庭に、元禄時代の典型的な茶屋造り。「わびさび」の風情が漂う素朴な草庵である。
土芳は芭蕉没後も蕉風俳諧を広めるため、伊賀における道場としてこの庵を使用したという。
訪れたのは真夏だったけれど、うっそうと樹木が茂っているせいか涼しい風が吹いていた。

《こんな庭には 和服に草履がよく似合う》
