川は遮るものがないので、風が吹き抜けていく。「風の道」という。
京都祇園「鴨川の床」は、夏の宵、川風で涼みながら食事を楽しむしつらえである。
四方を山で囲まれた京都盆地は蒸し暑い。床は人々が長年のうちに獲得した知恵であろう。
チェスキー・クルムロフは丘の上にお城が、川沿いの平地に教会と街がある。
「急峻な山城」と「平地の教会」の組み合わせは、ヨーロッパの町共通のパターンである。
他民族による容赦ない侵略を防ぐには、防御の堅い山頂にお城を築く必要があったのだろう。
戦争のない平常時には、教会前の広場を中心としたお店や住宅が日常生活の場である。
写真のレストランは、川沿いのベランダに食卓が並んでいて「床」と同じように涼しげである。

《窓辺や手すりはハンギングバスケットで飾られている》
