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2009年11月 アーカイブ

2009年11月04日

「芥子(けし)」

チェコでのドライブの途中。突然、目の前が真っ白になった。(頭の中も真っ白)
見たこともない風景にビックリ。菜の花や蕎麦の畑なら見たことがあるけれど。

車を降りて見てみる。それは何とケシの実ではないか!
話には聞いたことがあるし図鑑で見たこともあるけれど、本物は初めて。

しかも延々と、見渡すかぎりの畑。野球場が何10も出来そうなほど広い。
アヘン・麻薬・ヘロインといった言葉が浮かんでくる。大丈夫なの?

聞いてみると、この国では伝統的に芥子の実(ポピーシード)を食料としており・・・
この畑は決して麻薬栽培をしているのではないとのこと。でもビックリ。

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        《実は卵ほどの大きさ 一輪だけ紫色の花が残っていた(赤いのはヒナゲシ)》

2009年11月06日

「東海の植物」

日本に自生する植物の種類は、北方から、または南方から島づたいに渡ってきたもの・・・
中国大陸から渡ってきたもの、そして日本独特のものの4つに分けられる。

東海地方はその接点であり、地形的にも海岸から高山まであるので、植物の宝庫といわれている。
井波一雄先生は、70年にもわたり、日本中の野山を歩き回って植物の研究をされた。

特に地元の東海地方の植物は、しらみつぶしに調査され、精密な植物画と標本を残された。これは・・・
この地域のフロラ (flora=そこに自生する植物種の総目録) 解明に貴重な資料となっている。

井波先生は幼少の頃から植物に興味を持ち、小学生の時に 「牧野図鑑」 全ての模写をしたという。
その情熱は終生変わることなく、1年の半分は山に入って植物研究を続けたのである。

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        《若い人にも自然を楽しむ “楽者” になってほしいというのが口癖》

【ブルーボネットでは11月10日~23日まで 井波先生の 「ボタニカルアート展」 を開催】

2009年11月09日

「緋毛氈(ひもうせん)」

緑に赤はよく似合う。山間の川に架かる鉄橋などが真っ赤に塗られているのを見ることがある。
ただ目立ちたいという理由だけでなく、風景を引き立てるために赤色を選んだのだと思いたい。

「色の3属性」というのがある。「明度」「彩度」「色相」の3つである。
明度は明るさのこと。白が一番明るい。彩度は鮮やかさのこと。原色ほど彩度が高い。

色相は、赤・黄・青などの色味のこと。黄と紫、青と橙など対比する色味を「補色」という。
赤と緑はまさに補色の関係にある。並べて置くと、たがいを際立たせる効果がある。

野点の茶会では、床几(しょうぎ)に緋毛氈、真っ赤な中折れ傘というのが定番である。
とある日本料理屋の入り口に緋毛氈の待ち席があった。料理にも期待ができそうではないか。

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     《白壁の瓦の模様が ほほ笑んでいるようにも見える》

2009年11月12日

「赤い実」

♪♪赤い鳥 小鳥 なぜなぜ赤い 赤い実を食べた・・・♪ (北原白秋作詞・成田為三作曲)
赤い実を食べると本当に赤くなる? 確かに食生活は、人の健康や精神状態に影響するけれど。

晩秋を迎えて、木々も冬の準備を整えつつある。青かった木の実も赤く熟して鳥を誘っている。
アズキナシ: 小豆粒ほどの実のなる梨の意。小枝の皮目が似ているので “秤の目” とも呼ぶ。

モチノキ: 皮から “鳥魑(とりもち)” をつくる。子供のころ神社の木の皮をむいた。反省。
クロガネモチ: 同じモチノキ科。この仲間は雌雄異株なので、雌の木にしか実が成らない。

ガマズミ: 東部丘陵地のアカマツやコナラの樹林下にも自生している。落葉性の低木。
冬の雑木林は明るいけれど色彩に乏しい。そんな中で赤い実は、鳥の目にも目立つのだろうか。

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     《毎年の冬にわが家を訪れるジョウビタキが 最近もどってきた》

2009年11月15日

「森が繁る」

文明が滅びるときには、ひとつのパターンがある。森が無くなるのである。
古代メソポタミア文明やインダス文明崩壊のプロセスを見てみよう。

人口の増大ー建築や燃料のため樹木を伐採ー森林の破壊ー気候の変動ー食料不足ー疫病の蔓延ー
人口の減少 (安田喜憲著 「気候変動の文明史」 より) というのが共通のパターンだそうである。

日本は森林国といわれる。国土の約70%が森林に覆われている。
平均気温15℃、年間降水量1500mmという恵まれた気象条件のおかげである。

しかし安心してはいられない。戦後植えられた造林地の手入れが悪く、森林の劣化が進んでいる。
「森繁久弥」 さんの名を眺めていたら、 “森が繁ると文明が久しく弥 (いや) 栄える” と読めてきた。

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                《手入れの行き届いた杉林》
【11月10日に名優森繁久弥さんが亡くなられました ご冥福をお祈りします】

2009年11月19日

「鶴亀のお目出たい庭園」

鶴舞公園の図面を繁々と見ていて、突然、この平面計画に 「鶴と亀」 が隠れていると気づきました。
一度そのように見えてしまうと “天井の木目が顔に見える” ように、何度見てもそう見えるのです。

鶴舞公園は明治42年11月19日に開園しました。翌年 「第10回関西府県連合共進会」 を開催。
終了後そのパビリオンを撤去した跡に、今のような平面計画の公園が整備されたのです。

正面入り口から噴水塔、奏楽堂を軸線としたシンメトリー (左右対称) の西洋庭園です。
途中、公会堂の建設計画が持ち上がり、当初の形は少し崩れましたが修復して想像してください。

設計者は本多静六博士。日本初の西洋式公園、東京の 「日比谷公園」 を設計した人です。
過去の記録や静六氏のコメントはありませんが、どう見ても鶴と亀がいるように見えませんか?

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       《今日11月19日は 記念すべき 「鶴舞公園100歳」 の誕生日です!!》

2009年11月22日

「ニシキギ」

♪♪秋の夕日に照る山紅葉 濃いも薄いも数ある中に 松をいろどる楓や蔦 (つた) は・・・ 
  山のふもとの裾模様♪ (小学唱歌 「紅葉」 高野辰之作詞 岡野貞一作曲)

今年の紅葉はどこも、例年に比べて特別に美しいように思います。
その年の夏に晴れの日が多く、葉がお日さまの光を充分に浴びること・・・

そして秋、急に冷え込みが来ることが紅葉を美しくする条件だそうです。
ブルーボネットの和風庭園にあるニシキギも、例年になく綺麗に紅葉しました。

「錦木」 は、色糸や金糸を織り混ぜた美しい絹織物 「錦」 のようだという意味です。
赤だけでなく、微妙に朱色や黄色が混ざるところを 「錦」 に見立てたのでしょう。

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        《この木の特色のひとつ 枝にコルク質の翼 (よく) が付く》

2009年11月25日

「ハンテンボク」

“半天木” といっても “半天” が分からない。和服の仕事用上着のことである。
植木職人が着る印半天や町火消の長半天なら、時代劇でお目にかかっているかもしれない。

昭和の時代 (もう20年以上も昔!!) には、まだ、冬の防寒着として馴染まれていた。(?)
炬燵 (こたつ=これも歴史的暖房器具?) に潜り込み、半天を着て背を丸めていた。

部屋全体を暖めないので、今でいう “環境にやさしい” 防寒対策であったのだろう。
「ハンテンボク」 は、葉の形が半天に似ているところから命名された。

この木は 「ユリノキ」 とも呼ぶ。これは学名のLiriodendronを直訳したものである。
またの名 「チューリップツリー」 は、英名をそのまま使ったもの。花が似ているからである。

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                《親子3人が 半天を着てねころんでいる》

2009年11月28日

「土橋」

回遊式日本庭園では、園路を移動しながらいろいろな風景を眺めることができる。
道を曲がるたびに新しい景色を発見したり、変わった角度からの樹木や添景物を見ることができる。

園路そのものも鑑賞の対象になる。「飛石」 や 「延段」 も、美しさが重要であることは前に書いた。
「橋」 は、流れや池など水面の上を渡るという、普通とは異なる “劇的な場面” である。

左右には遮るものもなく、水面や対岸、池に向かって張り出した樹の姿などが見える。
石橋、板橋など橋を構成する材料も多様である。写真は神戸相楽園の美しい土橋である。

土橋は石積みなどの橋台から、マツやクリなど腐りにくい木の桁をかけ、その上に横木を乗せる。
表面は土や三和土のたたきなどで舗装する。見た目にも柔らかく自然に溶け込んだ橋ができ上がる。

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      《見え隠れの道の向こうに 何が現われるのか胸がときめく》

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