« 2009年11月 | メイン | 2010年01月 »

2009年12月 アーカイブ

2009年12月02日

「吊り橋」

“橋の上が劇的” というのは、吊り橋を想像していただければ納得できると思います。
左の写真は、天竜川に架かる吊り橋。右は、橋の真ん中あたりから眺めた天竜峡の景色です。

水面からの高さが50mはあろうかと思われ、歩くだけでも揺れる吊り橋はまさに劇的です。
眼下には 「暴れ天竜」 が削り取った岩肌が見え、遠景には中央アルプスの山々が望めます。

ときどき 「天竜下り」 の川舟が、すげ笠姿の観光客を乗せて下って行きます。
この吊り橋までのアップダウンのつづく山道は、私の馴染みの散歩コースなのです。

春は新緑とミツバツツジ、梅雨時はアジサイ、夏はヤマユリ、秋は紅葉が綺麗です。
そして今、真っ赤なリンゴと農家の軒先に吊るされている干し柿を楽しむことができます。

%E5%A4%A9%E7%AB%9C%E5%B7%9D%E5%90%8A%E3%82%8A%E6%A9%8B.jpg

《今でも岩が切立っていますが下流にダムができる前はもっと深かったそうです》

2009年12月05日

「石組」

地球の骨格は岩石でできている。その上に土壌が乗り、さらに植生が覆っている。
ところが、自然の厳しい力が加わる所では、表土がめくられて岩がむき出しになってしまう。
川の水が浸食する渓谷や滝、寄せては帰る波打ち際、氷河が削った山岳などである。

%E6%BD%AE%E5%B2%AC%E3%81%AE%E5%B2%A9.jpg

          《紀伊半島南端の潮岬 黒潮が洗う灯台直下の岩礁》

各地にある奇岩・巨石は景勝の地として人々の興味を呼び、多くの観光地となっている。
そんな荒々しい自然を取り込んで、滝や荒磯の石組をもつ庭園が古くから造られてきた。
静岡県三ケ日の摩訶耶寺古庭園は、岩組の見事な点でも日本屈指の名庭といわれている。

%E5%B2%A9%E7%B5%84.jpg

        《方丈から眺める小さな庭に 雄大な自然が取り込まれている》

2009年12月09日

「呼吸」

先日、守山区の小学校で “社会人による理科教育” という授業をさせていただいた。
私のテーマは、「木と友だちになろう!」。校庭を歩きながら樹木の名前を覚える実習である。

大きなケヤキの木の下で子供たちに質問、「この木の根っこはどこまで伸びていると思う?」
“50センチ” “3メーター” “20メーター”・・・いろいろな答えが元気よく飛んでくる。

枝を広げているケヤキの枝先まで歩いて行って 「ここまでです」 と答え。「では、根の役割は?」
“水を吸う” “養分を吸う” “倒れないように支える” ちゃんと知っている。「息も吸っているんだよ」

子供たちの感想文が送られてきた。“種類によって個性がある” “根っこのこと初めて知りました”
15種類ほど勉強したけれど、忘れてしまってもいいと思う。木のことが好きになってくれれば。

%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%A6%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6.jpg

《ラクウショウは湿地を好む 水辺の土中には酸素が少ないので呼吸根が地表に出る》

2009年12月12日

「根張り」

小学校の子供たちに “木の根は、枝の広がりと同じくらい伸びているんだよ”・・・
と教えたけれど、自分で実際に地面の中まで見たわけではない。

樹木の移植のために掘ったことはあるけれど、それは根鉢の大きさに限られている。
植物に関する本や、「樹木根系図鑑」 といった机上の知識からのお話である。

“神社の境内にある大木が弱ってきたので診てほしい” などと相談を受けることがある。
現地へ行って見てみると、おおむね根の傷害だろうと思われることが多い。

数百年は超すだろうと思われる老木の根元近くまで、アスファルト舗装をしてしまったり・・・
車が乗るために土が踏み固められて、根が窒息しているのが原因だろうと思われる。

%E6%A0%B9%E5%BC%B5%E3%82%8A.jpg

     《信州小諸 「懐古園」 根張りがむき出しになったケヤキ》

2009年12月15日

「傷痕」

太平洋戦争も終わりに近づくと、日本のエネルギー事情は極端に悪くなりました。
そこで、マツの根を掘り起こして細かく刻み、蒸留して 「松根油」 を精製したのです。

また、マツの幹をウルシ生産と同じようにV字型に傷つけ、「松脂」 を集めることまで行いました。
名古屋市役所北側の歩道に植えられている街路樹には、今でも大きな傷痕が残っています。

マツに限らず樹木は表皮を傷つけられると、自分の力でその傷を治そうとします。
形成層 (木部と皮との間にあり、根からの水分と葉からの養分が通る道) で細胞が形成され・・・

傷口を小さくしようとするのです。このマツも60余年の間、ずいぶん頑張りました。
この木はそんな歴史の証人です。街路樹が二度とこんな虐めに会うことのないよう願うばかりです。

%E6%9D%BE%E3%81%AE%E5%82%B7%E5%8F%A3.jpg

《歩道を歩く人たちは ほとんど気づかずに通り過ぎていく》

2009年12月18日

「地球」

地球の周囲を巻き尺で測ると(無理!)4万キロメートルであるという。
なぜピッタリの数字なのかと思う? それは、逆に4000万分の1を1mと決めたからである。

2π(パイ)で割ると半径が計算できる。(最近の学校では円周率πは3.0で教えているそうです)
約6500キロメートル、これが地表から地球の中心点までの距離ということになる。

最も深い海はマリアナ海溝にあり、約10キロメートルほどの深さであるという。
大陸の土壌の厚さがいかほどかは分からないが、海の水ほどは厚くないものと思われる。

いずれにしても地球の深さから考えると、表面の土や水は薄皮のようなものである。
アイルランド西海岸にある石灰岩台地では、薄皮もないむきだしの地球を見ることができる。

%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AB%EF%BC%93.jpg

      《台地の頂上からは5~10mの崖が 階段状に海へ向かって落ちていく》

2009年12月21日

「海鳥」

アイルランドの西海岸を、遊覧船に乗って海から眺めてみた。
ヨーロッパ人に地の果てと思われていた断崖絶壁は、200mもの高さがあるという。

岸壁から取り残されたように、水面から100mはあろうかと思われる岩の尖塔が聳えていた。
堅い岩が何万年もの海蝕に耐え、孤高ともいえる雄姿を見せているのである。

岩の節理が水平に刻まれている。堅い岩と比較的軟らかい岩の層が交互にあり・・・
幾筋もの幅の狭い棚ができている。その棚にとまって、点々と白く見えるのは海鳥である。

ウミネコの仲間であろうと思われるが、船が近づけないためにはっきりとは分からない。
(ただし、近づいたところで野鳥の知識に乏しい私には何の種類か分からない)

%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E5%B2%A9%E3%81%AE%E5%B3%B6.jpg

       《大自然に触れると 人は感動する》

2009年12月24日

「ヒイラギ」

クリスマスカラーといえば赤と緑。これはヒイラギ(西洋ヒイラギ 英名はホーリー)の色である。
クリスマスカードにも描かれ、ツリーやリースにも緑の葉と赤い実が飾られる。

ヨーロッパの冬は寒い。お日さまの出ている時間が短く、暗い夜が長いので憂鬱である。
木々は枯れ、雪が降れば白銀の世界。その中で、色鮮やかなヒイラギは貴重な存在であろう。

日本にも「ヒイラギ」があるが、モチノキ科の「西洋ヒイラギ」とは全く違う種類である。
日本のはモクセイ科の仲間。晩秋に香りのよい白花を咲かせ、夏に黒紫色の実をつける。

ヒイラギが家々の扉に飾られるのにはもう一つの理由がある。それは魔除けである。
棘のある葉が「魔」を遠ざけるという発想は、節分にヒイラギを飾る日本と全く同じである。

%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%EF%BC%93.jpg

  《キッチンガーデンのヒイラギとサンタさんの入り口となる煙突》

2009年12月28日

「コケ」

植物を進化の順に分類すると、胞子で増える 「コケ植物(23,000種)」 「シダ植物(11,000種)」・・・
種子で繁殖する 「裸子植物(マツなど760種)」 「被子植物(230,000種)」 に分けることができる。

被子植物は、さらに 「双子葉植物(キクやバラ)」 と 「単子葉植物(イネやユリ)」 に分けられる。
コケ植物は蘚苔類と呼ぶように 「蘚(スギゴケなど)」 と 「苔(ゼニゴケなど)」 の2つがある。

“こけ” という言葉には、“苔が生える=古くさくなる” といったあまり良い印象でない表現がある。
また植物を表す言葉ではないけれど、“虚仮にする=人を馬鹿にする” も悪い印象である。

しかし 「虚仮」 というのは、“全ての現象は仮のもの” という仏教思想としての深い意味をもち・・・
植物のコケも京都の苔寺(西芳寺)に見るように、日本庭園の地被植物として貴重な存在でもある。

%E3%82%B3%E3%82%B1.jpg

     《ジャパニーズガーデンのコケ ハゼノキの紅葉を引き立てている》

   【カッコ書きの種数は全世界のもの 週刊朝日百科「植物の世界」より】

2011年07月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

About 2009年12月

2009年12月にブログ「園長さんのガーデンライフ」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2009年11月です。

次のアーカイブは2010年01月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。