太平洋戦争も終わりに近づくと、日本のエネルギー事情は極端に悪くなりました。
そこで、マツの根を掘り起こして細かく刻み、蒸留して 「松根油」 を精製したのです。
また、マツの幹をウルシ生産と同じようにV字型に傷つけ、「松脂」 を集めることまで行いました。
名古屋市役所北側の歩道に植えられている街路樹には、今でも大きな傷痕が残っています。
マツに限らず樹木は表皮を傷つけられると、自分の力でその傷を治そうとします。
形成層 (木部と皮との間にあり、根からの水分と葉からの養分が通る道) で細胞が形成され・・・
傷口を小さくしようとするのです。このマツも60余年の間、ずいぶん頑張りました。
この木はそんな歴史の証人です。街路樹が二度とこんな虐めに会うことのないよう願うばかりです。

《歩道を歩く人たちは ほとんど気づかずに通り過ぎていく》
