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2010年11月 アーカイブ

2010年11月03日

「帰化植物」

外国に移住し、その国の国籍を取得して住みついた人を 「帰化人」 という。
その土地の気候・風土に馴染んで自生・繁殖するようになった外来植物は 「帰化植物」 と呼ぶ。

セイタカアワダチソウは、一時期日本の荒地という荒地を席巻した。あまりに繁殖力が強いので・・・
日本の強豪ススキも敵わなかった。根から他の植物を駆逐する物質を出して広がるのだといわれる。
ところが最近、その勢いが少し弱まっている。自分自身がその毒素に負けてしまったのだろうか?

メリケンカルカヤは、この名古屋地方から広まったといわれる。アメリカからの航空機が車輪に・・・
タネを付着して飛来し、名古屋空港着陸のため車輪を降ろすときにバラ撒いたのだという説がある。
堤防や道路の法面など痩せ地にも旺盛に繁茂する。冬枯れの穂に着火し法面火災の原因にもなる。

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                《日本の風景が変わってしまう》

2010年11月06日

「東アジア」

先週土日の2日間、「第3回東アジア植物園ネットワーク会議」 が金山の都市センターで開催された。
日本植物園協会などの主催で、テーマは 「東アジアの植物保全に対する取組と課題」 である。

この会議は、まだ新しい集まりである。2006年に中国の昆明で開催されたのを皮切りに・・・
2008年の第2回は韓国ソール、そして今回は、東山植物園担当の名古屋で開催されたのである。

参加者は中国、韓国、台湾、ロシア、香港および日本の植物園関係者で総勢32名であった。
前日まで開かれていたCOP10に合わせたテーマで、それぞれの地域の現状や課題が報告された。

環境や植物の保全は、一地域だけでなく地球規模で考え、努力を積み重ねることが必要である。
東アジアは地理的にも近く共通の課題もあるので、協力を深めようというのが皆さんの気持であった。

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    《高山に咲くシラネアオイも 庭で馴染みのキキョウも絶滅危惧種である》

2010年11月09日

「からまつ」

“からまつの林を過ぎて、からまつをしみじみと見き。
 からまつはさびしかりけり。たびゆくはさびしかりけり。・・・” ( 北原白秋 「水墨集」 より )

今年の夏はとても長く、また、一気に冬が到来してしまったので、秋を楽しむ時間が少ない。
しかし、紅葉は例年より綺麗だろうと期待されている。それは、夏の日差しが強く・・・

秋になって急激に冷え込むことが、紅葉を美しくする条件といわれているからである。
カラマツ (唐松、落葉松) は、日本に自生する針葉樹の中で、唯一黄葉し落葉する種類である。

日当たりのよい裸地にタネが芽生えるので、浅間山などの火山灰台地に純林を形成する。
晩秋のカラマツ林を歩いていると、白秋ならずとも自分も旅人になり、寂しさが募ってくる。

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          《 “世の中よ、あはれなりけり。常なけどうれしかりけり。” 》

2010年11月13日

「木の文化」

“百年かかって育った木で、千年という時の流れを感じさせる家具” をつくっている人たちがいる。
岐阜県飛騨を本拠地として、30年以上も活動を続けている工芸集団 「オークヴィレッジ」 である。

“木は人類がもっとも古くから利用してきた素材である” との認識のもと、小さなお椀から・・・
椅子・机・戸棚といった家具、木造の建築物まで、伝統の道具と技術を駆使してつくりあげる。

日本の木工技術は、5千年も昔の縄文時代に、複雑な木組みや漆塗りといった高い水準にあった。
そして、古代・中世・近代に至るまで、知識や技術を進歩させながら守り伝えてきたのである。

ところが現代は、「経済性」 という価値観のもと、古き良き精神まで捨ててしまったようである。
彼らは、プラスチックなどの新素材や大量生産・使い捨て文化に疑問符を投げかけているのである。

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        《本物の木を使った家具を見たり触ったりすると、心が落ち着いてくる》

   【11月23日から12月5日まで、ブルーボネットで 「オークヴィレッジ展」 を開催します】

2010年11月17日

「山芋」

トロロご飯が大好きな人も多いことでしょう。ナガイモや自然薯などを擂りつぶします。
なぜかこのときだけは麦飯が合うのです。美味しいので何杯でもお代わりしてしまいます。

ヤマイモの類はツルになる植物です。そのツルの葉腋に1センチほどの小さな “芋” がつきます。
「むかご (肉芽)」 といい、地上に落ちると発芽して植物体になるのです。無性生殖の一種です。

このむかごも食べることができます。塩ゆでにしたり、炊込みご飯にします。これも美味です。
子どものころ、むかごをいっぱい採って遊びに使いました。竹と輪ゴムで作る 「鉄砲」 です。

“大根鉄砲” とでも呼んだのでしょうか? 大根を1センチ角に切って 「弾」 に使うこともあります。
こんな遊び方は友だちや大きいお兄さんから教わりました。文化の伝承 (?) があったのです。

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               《材料にする竹も簡単に手に入りました》

2010年11月20日

「1300年」

11月初めに奈良のまちを歩きました。「平城遷都1300年祭」 閉会ぎりぎりの時期でした。
この祭りの中心 「平城宮跡」 では、復元された 「大極殿」 と 「東院庭園」 を見ることができました。

特別史跡であり世界遺産でもある平城宮は、区域全体が 「遺跡博物館」 と看做されています。
今から30年ほど前に保存のための構想が立てられ、その方針に沿って発掘・研究、保存・整備・・・

が進められています。「大極殿」 は発掘調査の成果を踏まえ、専門的調査研究の末に復元されました。
東西44m、南北20m、高さ27mという巨大な建造物です。丹塗りの柱をもつ美しい宮殿です。

奈良駅からのシャトルバスは、平城宮南端 「朱雀門」 近くのバスターミナルに停まります。
そこから約800m北に大極殿が見えます。平城宮はほとんど草っ原なので見通しが良いのです。

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              《見上げるような大極殿と古代の衣装を着た女性》
         

2010年11月24日

「東院庭園」

平城京 (710~784) は、東西4.3km × 南北4.8km、約2000haの長方形ですが・・・
東側に400haほどの出っ張りがあります。興福寺や東大寺のある区域で外京と呼ばれています。

平城宮も同じように東側に張り出しの区域があります。「続日本紀」 では 「東院」 と呼んでいました。
今から40年ほど前、東院の南東隅に大きな庭園遺跡が発見されました。発掘を続けたところ・・・

東西80m、南北100mの敷地に池をもち、その周囲にいくつかの建物のある庭が確認されたのです。
池の汀は複雑な形をしていて、池底から岸辺にいたるまで小さな礫が敷き詰められていました。

建物の土台や柱も発掘されました。池中央の建物には橋が架かっていたことも分っています。
発掘された植物の種を調べたところ、ネムノキやムラサキシキブなどが植えられていたようです。

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            《なだらかな洲浜が美しい 北側には立石を含む岩組がある》

2010年11月27日

「干し柿」

中国の 「故事名言」 に載っていたお話し・・・道端に、たわわに実をつけた柿の木があった。
その少年は、柿には見向きもせずに通り過ぎて行く。それを見ていた古老が彼に尋ねた。

“どうして柿を採って食べようとしないのかね?” 少年は答えた。“だって、あんなに人通りの・・・
多い道に美味しい柿が成っていたなら、とっくに採られてなくなっているよ。きっと渋柿なのさ。”

渋柿には、水溶性のタンニンが含まれていて、それが渋みの原因になるのです。
ホワイトリカーのようなアルコールに数日間漬けておけば、渋が抜けて食べることができます。

自然乾燥することによって渋を抜く伝統的技法もあります。「干し柿」 とか 「吊るし柿」 といいます。
皮を剥いた柿のヘタをタコ糸で結んで、軒下などに干します。時々揉むと甘さが増すそうです。

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   《農家の軒先を飾る 「柿簾 (かきすだれ)」 は、晩秋の風物詩です》

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