斜面を水平にするためや、外敵を防ぐために石を積むことは、古くからの文化・技術である。
昔はクレーンなどの機械がないので、人の手で持ち上げることのできる範囲の石が使用された。
日本は水田稲作であるので、傾斜の緩い地区では 「土手」、急なところでは 「石垣」 が築かれてきた。
三重県紀北町の下河内地区は、大台ケ原に連なる山々に囲まれた、風光明媚な谷合の里である。
谷の中央を流れる赤羽川沿いの土地は、比較的緩やかなので広い水田が広がっている。家々も・・・
斜面地でなく平坦な土地に建てられている。ところが、家の周りが堅固な石垣で囲まれているのだ。
不思議な景色なので里人に聞いてみると、昔、オオカミを防ぐためにつくったのだという。
鹿や猪から作物を守るために築く 「シシ垣」 というのは知っていたが 「オオカミ」 とは驚きである。

《石垣の中に組み込まれたユニークなお地蔵さまもあった》
