Flowers in full bloom見頃の花

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6月〜9月

ミソハギ

植物名:ミソハギ
学名:Lythrum anceps
別名:盆花(ボンバナ)、精霊花(ショウリョウバナ)

―分け入ればミソハギの故郷(さと)母の声―

“ブルーボネット”の花も夏の日差しを受けて、たくましく育っています。今回はミソハギのご紹介です。長く伸びた茎の先に、小さな紅紫色の花が連なるこの花は、昔からお盆のお墓参りやお仏壇には欠かせない供花として知られています。ミソハギを見て、故人を思い出し、懐かしむ事から「愛の悲しみ」や「慈悲」などの花言葉が付いています。

この花は、湿地や田んぼの畦、小川の隅など日当たりがよく湿り気の多い場所を好みます。また、多年草で花期が長いため、初心者でも気軽に育てやすいのも特徴。通路と花壇との仕切りや、花と花の境目を演出するボーダーや、寄せ植えにおすすめです。花の色が秋の七草の萩と似ていますが、異なりますのでお間違いのないように。

お盆の花として使われるようになったのは、萩に似ていて禊(みそぎ)に使われる事から「禊萩:ミソギハギ」⇒「ミソハギ」になり、別名「盆花:ボンバナ」「精霊花:ショウリョウバナ」とも言われています。この花を供える場合は、地方によってそれぞれ違いますが、閼伽水(あかみず:穢れを払うきれいな水)の隣にお供えするのが習わしの様です。

また、説によると、ミソハギは喉や口の渇きを抑えるのに効果がある様で、お盆に帰ってくるご先祖様がミソハギの露でないと口にされないと言われています。何より旧暦のお盆の頃に咲き、日本の歳時記と深く関わっているのが嬉しいですね。名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”を紅紫に染めるミソハギは、この時期の花、そして亡くなった方への鎮魂花でもあるのです。お盆を過ぎると心なしか名古屋港を渡る風が違ってきます。こうして花の意味を知る事は、暮らしを知る事。また花が好きになりました。

花の谷(2021年7月撮影)
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