「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があります。この時期を代表する花といえばやはりヒガンバナ。秋のお彼岸の頃に咲く花として名付けられ、別名「曼殊沙華:マンジュシャゲ」とも言われています。よく耳にする名前ですよね。
この曼殊沙華は、サンスクリット語で「天界に咲く花」「天上の花」という意味があり、仏教における伝説上の花で、おめでたい兆しとされているそうです。
その他にも「天蓋(仏像の頭上を飾る笠状の装飾)花:テンガイバナ」と呼ばれるなど、この花の別名は、全国各地で様々な呼び方があり、その数はなんと1000種類以上も。
その理由は、昔からヒガンバナを誤って口にすると吐き気や、下痢をする事がある為、注意を促す意味の言葉や方言が名前になっているために多くなっている様です。ヒガンバナほど別名が多い花はありません。
これだけ多くの呼び方があるのは、古くから私たちの暮らしや、季節と深く結びついている証拠です。
ここ、名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”では、どこにでも見かけるこの花を“ブルーボネット”ならではのコンセプトで来園者の皆さんの目を楽しませています。燃えるような色合いの花だけに、ここを曲がった時に…あの景色を活かしながら…と目線や周囲とのバランスそしてインパクトを考え、遠くからでもすぐわかるようなゾーニングを心掛けました。
ところで、ヒガンバナをよく見ると一本の真っ直ぐ伸びた茎に、複数の花が集まり、6枚の花弁に6本の雄しべが空に向かって伸びています。
この花は、夏に球根を植えて秋に花を咲かせる宿根草のひとつ。冬になると葉が出て越冬し、春は休眠。そして秋になると花が咲くというサイクルを繰り返します。
花色は、赤以外に、白や黄色があり、そのコントラストに目が奪われます。どことなく妖艶で、哀しい雰囲気を持つ花。普通の花とはちょっと違うヒガンバナです。
